第5章 書庫での出来事
翌日、信玄様が提案した宴が開かれるためか、女中さんたちたちは忙しそうにしていた
鈴ちゃんも朝から宴の準備でいない
暇だなぁ…
と思っていたところに、佐助くんがやってきた
「乃々さん。謙信様の伝言で逃げ出さなければ、城の中を自由にしていいって。
もし変な気を起こしたら、次は斬るって言ってたけど…
乃々さん何かしたの?」
記憶に蘇る、恐ろしいほど手入れされた美しい白刃が蘇る
「あはは……まぁ、ちょっとね?」
信玄様、ちゃんと謙信様に言ってくれたんだ。
会ったら、ちゃんとお礼しないとな…
なんだか気まずいけど…
「乃々さん少しならお城の中、案内してあげるよ」
「ほんとに?!助かる!今日は鈴ちゃんいないし。
あの、書庫に連れて行ってもらってもいい?」
「お安い御用です。姫。」
「もう!姫じゃないってー!」
たわいも無いやり取りをしながら、佐助くんに案内されて書庫に向かった
「乃々さん。俺、仕事に戻るけど、帰り道わからなかったら誰かに聞いて」
「あ、うん。ありがとう!!大じょう…」
そう言い掛けた私の最後の言葉は空を切り、佐助くんはフッ!!と消えた?いなくなった!
凄い……!!に、忍術?!
佐助くんって本当に忍者なんだ?!