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貴方は私の半分〜イケメン戦国 武田信玄〜

第5章 書庫での出来事




「乃々さん、こんな…誘拐みたいなことになってごめんね」

佐助くんが申し訳なさそうに説明してくれる
「信玄様と謙信様は、元々はライバルなんだけど。
今は同盟関係になってるんだ。
謙信様は、信長様に追われて国を無くした信玄様を放っておけなかったんだと思う」


謙信様って怖いイメージだけど、実は優しいところもあるんだ

あの殺気さえなければ、もう少しお近づきになれる?かな??

…………いや…やっぱ無理か

あの殺気を思い出すと背筋が凍る


「佐助くんが謝ることじゃないよ。たまたま私たちを助けてくれた人が、敵同士だっただけでしょ? 仕方ないよ」

「安土に帰りたいよね…」

佐助くんが責任感じることじゃないのに…

「そうそう!その事だけど、信玄様と賭けをしたの!私が勝てば安土に帰してくれるって!!」

「賭け?信玄様と?」

「うん。だから大丈夫だよ。私、絶対負けないから」

ガッツポーズをしてみせる私に佐助くんが笑った

「そっか。わかった。ぼくもワームホールの研究続けてるから。
ワームホールのこと分かったら教えるね。」


「まだ五百年後 に帰れる可能性があるってこと?」

私の脳裏に浮かぶ叔父さんの顔。
五百年後の時代にいる、私の唯一の家族…。
急に居なくなった私を心配してるはずだ。

「ワームホールは一定周期で現れると俺は考えている。
帰る方法は、必ず見つけるよ。
そこで乃々さんにも一つ気をつけて欲しいことがあるんだ…」


そこまで言いかけた佐助くんがジッと私を見つめる


「なに?」

気をつけて欲しいこと?


「この時代の人たちに深入りしちゃダメだよ…。離れがたくなってしまうからね」

「深入り…?」

「例えば誰かと恋愛関係になってしまったり」

私が恋愛?!
現代でもしたことないのに?!

「…っはは!!ないない!!絶対ないから大丈夫!!」

「ならいいけど…」

真面目な顔した佐助くんに、ないないと両手を振って笑って返した。
そんな私を見る佐助くんは不安げな顔をしていたけど、この時、私はそんなことあり得ないと思っていた。


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