第5章 書庫での出来事
「俺は大学で宇宙物理学を専攻してて、個人的にタイムスリップ理論を研究してた。ワームホール出現のパターンと条件を割り出すことに成功して…あの日あの場所で、自分の研究が立証できないか考え込んでいたんだ」
凄い!!
それってもうノーベル賞ものの研究!!!
「同じ場に居合わせてた乃々さんも、タイムスリップしただろうと予想して探してたけど…俺より四年あとに飛ばされてたのは想定外だった」
「君が燃え盛る本能寺から信長さんと出てきたのを見てから、早く接触しようと思ってたんだけど…。安土の警備がなかなか手厚くてね。
説明するのが遅くなってごめん。」
「ううん。いいの。さらわれたけど佐助くんに会えて不幸中の幸いかも!!」
仲間がいただけで嬉しい!
喜びも束の間、改めて佐助くんの服装を見て幸村の言ってたことを思い出した
「……ところで…あの、佐助くんって忍者なの?」
「うん。ここで生きていくためにはそれなりの術が必要だったからね。
無職ではいられないよ。
だから謙信様に願い出て、軒猿に入れてもらったんだ。」
「それで…四年で忍者に?」
「そうゆうことになるね。
ちなみに『佐助』って名前も猿飛佐助が由来でね。せっかくだから今は『猿飛佐助』と名乗ってる。架空の人物だし歴史に影響しないだろうから」
淡々と答える佐助くん
凄い…
生きる為でも、選んだ道が忍者って
佐助くんの適応能力半端ないでしょ!!
「…あの時…私が本能寺に飛ばされた時に、佐助くんたちもあの場所にいたってこと?」
「あぁ。織田軍の動きを偵察してたんだ。」
「それじゃあ、あなたたちが信長様を狙ったの?」
あの時、信長様を助け出した時…
確かに何かの気配を感じた…
人なのか?獣だったのか…
「いや。あれは僕たちではないよ。僕たちが本能寺へ着いた時には、もう火の手が上がっていた」
「そっか…」
なぜかほっとした…