第5章 書庫での出来事
佐助くんはこれまでの出来事をゆっくり語り始めた。
「つまり、あの雷が原因で時空が歪んで、私たちはタイムスリップしちゃったってこと?」
「ああ。原理の説明は省くけど、大まかな解釈はそれで合ってる。で、俺は君と一緒にタイムスリップして、今から四年前の戦国時代に飛ばされたんだ。
実はこの四年間でわかったんだけど……ここは、俺達が学校で習った戦国時代とは違ってる」
佐助くんがタイムスリップした先は、謙信様が倒れかけた現場で…私が信長様を助けたのと同じように、謙信様の命を助けたらしい。
「だけど、ここではそれが現実で。俺たちがタイムスリップした瞬間に時空が歪んで、歴史が変わったのか。それともパラレルワールドなのか…」
タイムスリップ…にパラレルワールドって…もうSFの世界なんだけど……
でも私も歴史が違っていることは、確かに気になっていた
本当だったら、信長様も謙信様も死んでいたはず…
もちろん……信玄様も……
胸がチクリと痛む