第1章 甲斐の虎
久しぶりの一人の自由な時間に浮かれながら城下に向かう
今日も人がいっぱいだー
安土の町は活気に溢れている。
お店の他にも流しの露店商が並び、行き交う商人や町人。
さて、何からしようかな?
やっぱりスィーツ食べようか?
小物も気なるなー
キョロキョロ辺りを見回すと一軒のお店が目に入った
お団子だーーーー!
よし!!やっぱりまずは疲れ切った脳を癒すことにしよう!!
うんうん。
と頷きながらお店に向かい、椅子に座って注文を済ませる
どんな味なのかなー?
時代は違えど味は一緒?
それとも…不味かったらどうしよう…
無意識にニヤニヤしたり難しい顔してみたり
そんな私を面白そうに眺める一人の男
その視線に気づくこともなく私は能天気に
これから運ばれてくるお団子に思いを馳せていた
「はい。お待ちどうさん」
「わぁ。美味しそう!」
待ちに待ったお団子は、みたらしがたっぷりとかかっていて、見るからに美味しそう。
店主にお礼を言って
パクッと一口
現代のみたらし団子と変わらない!!その美味しさに思わず感想が口を出てしまった。
「ん〜〜〜!美味しい!!」
「おや。お嬢さんありがとよ。美味そうに食ってくれるね。」
パクパクとあっという間にに平らげ、頬に手を当てその余韻に浸る
ここに来てから目まぐるしい毎日で、こんなにゆっくりしたことなかったな。
……いや違うか
現代でも国家試験に向けて勉強漬けの毎日だったもんなぁ…
改めて現代での生活を思い出してみると…
思い出されるのは勉強のことばかりで、楽しかったことも悲しかったことすら思い出せない
だからか、余計にみたらし団子の甘さが身体に染みた