第4章 大人の情事
「ま、鈴の言う通りだな!ひとまず、ほら医学の勉強とやら出来るようになるんだから!なっ!!頑張れ!!」
「う、うん…そうだね。鈴ちゃんも幸村もありがとう」
なぜか一緒になって励ましくれる幸村と鈴ちゃんに、平静を装うと笑って見せた
「そうだ!!お前!!!信玄様に変なこと言うなよな!焦っただろうが!!」
「あ…。ごめん」
幸村に文句を言われ、咄嗟に口走ったことを思い出す。
安土へ帰せって言ったことだ…
「思わず口に出ちゃって」
「お前…相手が謙信様だったら今頃死んでるか、牢に入れられてるぞ…」
えへへ、と笑う私を見て呆れる幸村。
確かに謙信様だったら命ないかも…
でも謙信様が相手だったら、そもそもあんなこと何も言えないし
想像するだけで思わず身震する
「そういえば、佐助には会ったか?」
「佐助…?」
「なんだ。あいつ、またどっかで情報収集してんのかよ?佐助ってのは、謙信様の右腕の忍びだよ」
忍び…って忍者??
「あいつのことだから、そろそろ現れる頃だと思ってたんだけど…」
「ま、そのうち現れるだろ!さてじゃあ俺もう行くわ」
「幸村様…本当にありがとうございました」
「おぉ。あ、そうだ。お前、もう一生のお願い禁止な」
改めてお礼する鈴ちゃんの額を、幸村がピンッと弾くと部屋を出て行った。
「////」
弾かれた額を押さえて鈴ちゃんが赤くなってる
あぁ…そうゆうことか
鈴ちゃんのその顔を見て、恋愛偏差値0の私でもわかった…
鈴ちゃん、幸村が好きなんだね