第4章 大人の情事
私の全て……
その突拍子もない提案と信玄様の瞳に固まる。
信玄様の瞳に見つめられるとまるで全てを見透かしている様で、着物を着ているのにまるで裸を見られているような感覚に襲われる
「そ…そ…それじゃあ!私を笑わせられなかったら…?」
その瞳から逃れるように声を振り絞る
「その時は安土へ、信長のところへ潔く帰してあげるよ」
簡単に安土に帰してもらえないのなら、だったら…信玄様の要求を飲むしかない…
私が笑わなければいいだけなんだから…
勝算はある!!
「わかりました…。その賭けに乗らしていただきます!」
賭けに乗った私を見て、信玄様が色めいた笑みを浮かべる
「あのさ…お前…話し変わってないか?」
「え?」
私と信玄様の一連のやり取りを黙って見ていた幸村に諭されると、私は自分が何しに来のか本来の目的を思い出した
そうだった!
あたし漢方の勉強のことお願いしに来たんだった!!
あの情事の姿のせいですっかり忘れてた…