第3章 春日山城の友達
鈴ちゃんが部屋を出て少しすると、部屋の外から声が聞こえてきた
「なんで俺が?!」
「お願いいたします。幸村様!!いくら敵国の姫君だとしても、それくらいしてもバチはあたりません!」
鈴ちゃんと男の人が言い争いしながら、部屋に戻ってきた。
「乃々様!お待たせいたしました!」
「え?!」
「こちら真田幸村様にございます」
(今度は、真田幸村?!)
私と同い年くらいの人を連れて部屋に入ってきた鈴ちゃん。
「幸村様は信玄様の側近ですので、先ずは幸村様と一緒に信玄様にお願い致しましょう!そこから謙信様に進言して頂くのです!」
「おい!鈴!!俺は引き受けてないぞ!!」
張り切る鈴ちゃんの横で、明らかに嫌がっている
「鈴ちゃん?あの…嫌がってるみたいだし…無理強いは…」
「幸村様!!どうか鈴の一生のお願いでございます!信玄様に御目通りを!!」
「す、鈴ちゃん?!」
「鈴っ?!」
鈴ちゃんが頭をついてお願いするのだを見て、思わず私も一緒に頭を下げた。