第3章 春日山城の友達
出された着物は煌びやかな刺繍がされた桃色の打掛け
「わぁ…綺麗……」
こんなの現代で買ったら…うん百万はするんだろうなぁ〜
安土にいた時は一応姫とされてはいたものの
特段大きな宴があったこともないので
こんな煌びやかな着物を見ることも着ることもなかった
「乃々様は可愛いらしいお顔立ちですので、この淡い色の着物などどうでしょう?」
鈴ちゃんが楽しそうに次々と着物を引っ張り出す
「え?でも…この歳でピン…桃色とかはちょっと…可愛らし過ぎるかな?」
「この歳で?と申しますと…?」
「だってそんな可愛い色、十代くらいの子が着そうな感じでしょう?」
ピンクや黄色、淡い水色のパステルカラーの着物を指差す
二十四歳にはちょっとキツイかな