第3章 春日山城の友達
「ふふ。乃々様は他の姫君とは少し違うので、皆さん普通にして大丈夫ですよ」
「しかし…」
「お仕事最中に申し訳ありません…。みなさんのお邪魔にならないようにしますので…」
鈴ちゃんの言葉に戸惑う女中さんたちにペコリと頭を下げると、みんなの仕事の邪魔にならないよう、鈴ちゃんついて部屋の端から奥の部屋へ移動する
みんなの邪魔にならないようにと、小さくなって部屋の端を歩く姫など見たこともないのだろう
みんな呆気にとられていた
奥の部屋に行くと、何段も引き出しのついた大きな箪笥が並ぶのに圧倒される
鈴ちゃんがその一棹の一段を引き出し、着物を何着か取り出した