第30章 貴方は私の半分
「その戦術書、まだ読んでないんだよな」
「よかったらお貸ししますよ」
「戦術談義なら、俺も混ぜろ」
信玄様と謙信様に挟まれて、臆することなく三成くんが笑う。
「はい! 私も戦略家、戦術家として名高いおふたりとは、ぜひお話をしてみたかったのです」
「そう言うお前も戦術家として優れた才を持つと聞いているぞ。いずれ戦場でやり合いたいものだ」
謙信様、さりげなく物騒なこと言ってるけど…
三成くんは…にこにこ笑ってる
うん、やっぱ気付いてないね
信玄様が、隣に座っていた光秀さんに目を向ける。