第3章 春日山城の友達
私が倒れてからずっとお世話してくれてる彼女…
その顔にはまだ幼さが残る
あの時救えなかった安土の兵士と同じくらいか?
「ごめんね」
彼女にすれば敵国とは言え、一国の姫に謝られるなど恐れ多いのだろう
でも謝らずにはいられなかった
「乃々様!!どうかお気になさらないで!!私なら大丈夫ですから!謙信様もきっと本気で言ったわけではないのですよ…」
「…いや…あれは本気でしょう…?」
謙信様のあの殺気を思い出すと、どう考えても冗談じゃない
「………」
「………」
しばらくの沈黙の後
「……そ、そうですね…」
彼女もあの殺気を改めて思い出したのか、私の言葉を否定しなかった
私たちは再び顔を見合わると、笑い合った