第3章 春日山城の友達
2人が去った後もしばらく動けないでいると、女中さんが
「お部屋に戻りましょうか…?」
とポツリと言った
女中さんの案内で部屋に戻ると、さっきの恐怖が蘇って腰が抜けたようにその場に座り込んだ
「はっ……こ、怖かったぁ〜〜〜」
「わ…私も………」
胸に手を当て一気に息を吐くと、女中さんも一緒になって座り込むと私たちは顔を見合わせた
「ふふっ…!」
「乃々さま…?!」
「だ…だって…すごく…怖かったから…」
余りの恐怖から解放された安堵のせいか、込み上げた笑いを堪えきれず笑い出す私。
そんな私を見て女中さんが一瞬驚くけど、あははとさらに笑う私を見て
「私も…怖かった…です…」
と、女中さんもつられて一緒に笑い出した。
ひとしきり笑い合った後、私は姿勢を正して女中さんの方を向き直す
私の急に変わった態度に、女中さんも慌てて姿勢を正し向き合う
「乃々様?」
「逃げ出したりして、ごめんなさい」