第26章 もう一つの戦い
その言葉を聞いて、私は頰に添えられた手に自分の手を重ねた。
「意外な展開になってしまいましたね…。」
黙って様子を見ていた佐助くんも不安そうに私と信玄様を見る。
「俺にできることがあれば協力します」
「ありがとう、佐助。その気持ちだけ受けとっておくよ。これは、きっと、俺と晃殿の問題だ。だから、絶対に晃殿を説得してみせる。お前も信じてくれ。」
信玄様の力強い言葉に佐助くんが頷く。
「わかりました。信玄様を信じてます。
ワームホールが発生するまでのひと月、俺は研究漬けの生活になりそうなんで…何かあったら連絡ください。」
そう言って佐助くんが立ち去ったあと……
思わぬ問題に直面した私たちだったけど、ひとまず今は退院後の計画について、色々と話し合った。