第26章 もう一つの戦い
「晃殿。話すのが遅れて申し訳ない。改めて説明するから、話を聞いてもらえないだろうか」
言いかけた私の言葉を遮って、信玄様は叔父さんに真剣な面持ちで話し合いを申し入れる
「…………」
そんな信玄様をじっと見つめる叔父さんは、やや間を開けてから『わかった』と一言、そう言って病室を出て行った。
まさか…叔父さんに反対されるなんて、思ってもみなかった…
思わぬ展開に動揺する私。
不安な眼差しで信玄様の顔を見ると、信玄様が私の頰に手を充てた。
「心配するな。俺が生きて今ここに居るのは、君が頑張ってくれたからだ。だからこそ、君との未来のために次は俺が頑張る番だ。」
「信玄様……」