第26章 もう一つの戦い
「それ…」
固く結ばれた二つの袋をみて、思わず笑みがこぼれる。
「泣きそうな君も可愛いが、やっぱり君は笑ってる方がずっといい。」
信玄様が私の頬に軽く唇を寄せた
あの日、信玄様と離れ離れになってしまうことが悲しくて…
生きる時間が違う私たちは、もう二度と会うことができないと思った…
だから……
せめてこの二つの袋は繋がっていてほしくて…きつく結んだことを思い出す。
そうだ…私たちは500年という時を越えて巡り会って結ばれたんだもん…
色んなことを乗り越えて一緒になれたんだから、大丈夫…うん…!大丈夫!
二つの袋を見つめ、不安はいつか確信に変わり
私は信玄様を見上げると、その唇に自分から口づけた