第25章 未来へ
「無理なお願いしてるのは分かってるの。だけど…これしか方法がないの…大切な…人…なの」
(どうやったら、叔父さんに信じてもらえるだろう…)
俯向き膝で拳を握る乃々は、今にも泣き出しそうな、か細い声で晃に訴える
そんな乃々に優しく寄り添う信玄。
今まで恋人がいたとも聞いたこともなかった
恋人ができたなんて、本当だったら喜ばしいことだろうが…
初めて聞かされる恋人の話が、タイムスリップしてきた戦国武将だという。
晃にとってはショックを通り過ぎて、何がなんだが分からない、『新手の結婚詐欺』かとすら思える