第25章 未来へ
『威風堂々』
その言葉がこの男のためにあるかのような、凛々しいいで立ち。格好こそ普通だが、威厳と風格を纏った男の雰囲気に、晃は飲み込まれていた。
そのため、あながちこの話が嘘とも思えない。
学生の頃に習った、戦国時代の歴史を思い出す。
(確かに、武田信玄が病で死んだってのは習ったけど…)
そんな歴史上の人物が、現代にタイムスリップして来て、ましてや娘同然の自分の姪の恋人だと言われても、
それを『はい、そうですか』とは言えない。
ただ、乃々がこんなふざけた嘘をつくような子ではないことも分かっていたし
何より、その恋人の身体を心配してる乃々の姿が、今起きていることが真実なのだと物語っていた。