第25章 未来へ
「……だって、嘘じゃないし」
晃の見たこともない厳しい表情に狼狽つつも、乃々
はしっかりした口調で言う
「晃さん、信じられないとは思いますが、現実にタイムスリップは存在するんです。」
そう話す佐助を訝しげに見つめる晃。
乃々が行方不明になったこの三か月。
その間に何があったのか、晃は佐助から説明された。
佐助のタイムスリップについての説明は論理的であり関心はしたが、ただ、
あまりに現実離れした話しすぎて頭がついていかない
「…しかし…戦国時代に、武田信玄…って」
今、聞いた話を思い出して一応理解しようとはするが、やはり混乱してしまう。
晃はため息混じりに一言呟いて、乃々の隣に座る信玄を見て頭を抱えた。
(この男が…武田信玄…?)