第25章 未来へ
世界が白く染まる中–––信玄様の唇が、そっと私の唇に重ねられた。
っ……信玄様……
ゆっくりと唇が離された時、辺りの景色はもう元に戻っていた。
「ここは……」
成功したんだ……!
今、私の目の前にあるのは、本能寺ではなく『本能寺跡』の石碑
「信玄様!成功しましたよ!!」
信玄様が500年後の景色に呆気にとられている
喜びのあまり、信玄様に抱きついて喜ぶと信玄様も戸惑いながら、『あぁ…』と、私の腰を抱き寄せる
「さ、乃々さん。とりあえず、うちへ行こう」
「そうだね」
佐助くんの言葉に、私たちは足早にその場を離れた