• テキストサイズ

貴方は私の半分〜イケメン戦国 武田信玄〜

第24章 束の間の休息




「ほう、貴様も色事の話をするようになるとはな」

「認めないなら、それでいいですけど……」

「俺はな、家康–––500年後の世界から来たと言う、あの女が面白いと思っていた。俺の手のうちで、せいぜいそれを愉しんでやろうと思った」

淡々と事実を述べるように、信長は言葉を紡ぐ。

「だが、春日山城から帰って来た乃々は、俺の知らない顔をしていた。女を美しいと思ったのは、あの時が初めてだったな」


家康が複雑な顔をして、ため息をこぼした。


「……あんたが欲しいものを逃したところ、俺は初めて見ましたよ」

「存外、悪くない気分だ。どうしてか、清々しさすら感じる。この手に転がりこんできたと思ったら、さらわれる–––嵐のような女であった」

「そうですね…。」

(嵐のような女か…。確かに、散々人の心をかき乱してったな)

信長と家康は乃々の消えた方向を見て、ふっと笑みを漏らした。


/ 686ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp