第24章 束の間の休息
「安心しろ。このあとは、兵をねぎらうために宴を開く。せいぜい、賑やかに騒げ」
まるで失恋した友を宥めるように肩を軽く叩く
「俺が賑やかに騒いだら、気持ち悪いでしょ…」
「違いない。さて、俺はさっそく料理を仕込んでくるとするか」
言うなり、政宗は足早に立ち去り
ふたりになったあと、家康が信長の横顔に、じっと視線を向けた。
「よかったんですか」
「何がだ」
「とぼけないでください、乃々ことですよ。信じがたいけど……好きだったんじゃ、ないですか。あんたも、あの女のこと」
家康の言葉に、信長は顔色ひとつ変えない