第2章 春日山城の人質
2人は目的地に着くまでに、私に何かあっては大変だとその日の夜は寝ずに駕籠を走らせた
拐われてから四日目の朝だろうか…
外が白み始めた頃、やっとその足が止まる
一晩中揺られていたせいで一睡も出来なかった
それに合わせて、断食していたせいで頭がフラフラする…
気持ち悪い…
酔ったみたいだ……
吐きそう……
「ただ今戻りました!!」
「姫君をお連れしました!!!」
駕籠の外で2人の大きな声が聞こえる
「長旅ご苦労だったな。ゆっくり休んでくれ。それで姫さんはどうしてる?」
「それが…実は…」
男数人の声が駕籠の外から聞こえる