第2章 春日山城の人質
「乃々様、どうか何か口にしてください。」
「貴女様を傷つけるつもりは無いのです。」
そんな私を見て、拐った男たちは必死に説得した
私を心配する2人の様子を見て
そこまで悪い人達ではないのかも…
とも思ったけど
私が死んで困るなら、ギリギリまでとことん困らせてやる…
それは私を拐うよう命令した奴への抵抗。
水分さえ少しずつでも取れば、しばらくは大丈夫…
これでも医者の道を志してるんだから
自分の身体のことくらい分かる
「私は織田家になんの縁もない人間です!そんな私をさらって何になるの?!私を安土へ返してください!」
2人の男は断固として食事を取らない私に焦りを感じ、目的地まで駕籠を急がした