第23章 最後の戦い
信玄様のそば、安心する……。
「いいえ……私も、一緒に起きています」
信玄様は私を引き寄せ、額をこつんとくっつけた。
「君がさらわれたと知った時、呼吸が止まりそうになった。君を失ったら、俺の身体はきっと冷えたままだ。
こんな鎧を着てなかったら、思い切り君を抱きしめたい。君のぬくもりを感じたくて、たまらない」
「私だって…もう会えないかと思いました。でも…絶対、何をされても信玄様の元へ帰りたかったから……だから…怖くても耐えられました」
信玄様の両頬を自分の両手でそっと包み込んで、赤胴色の瞳を見つめる