第23章 最後の戦い
「信玄様…貴方を失ったら、私の身体だって冷えたままです。だから…私を置いて居なくなったりしないでくださいね…」
「っ……本当に、困った子だ。どこまで俺を惚れさせたら気が済む」
珍しく少し余裕を失くして、信玄様が少し気まずそうに目を逸らした。
照れてるところ、初めて見たかも……
「……こっち向いてください」
私の手から逃れようとする顔を、もう一度自分に向けさせる
「信玄様の体が冷えてしまうことがあったら、私に温めます」
「……ありがとう」
柔らかく微笑んだあと、今度は信玄様が私の頬を両手で包む。