第22章 裏切りと同盟
ワームホールの出現する日までに本能寺に行かなきゃ…。移動時間も考えると、あまり余裕はないな
でも…このまま離れたくない…
こんな身体で…本当は戦になんか行かせたくないよ
なんのわだかまりもなく信玄様の元へ行けるようになったのに…
「こっちを向いて、乃々」
私の心の声が聞こえたのか
頬を両手で挟まれ、顔を上向かされる。
「心配を晴らすために、約束をひとつしようか」
「約束?」
「ああ」
そのまま、端正な顔が近づいて……私の唇に口づけを落とした
「今は、これだけだ。帰って来たら、続きをしよう」
信玄様…
「……はい」
気持ちが溢れだして、気づいたら頷いていた。