第22章 裏切りと同盟
良かった…
私の大切な人たちがこれ以上、傷つけ合わなくてすむんだ…
信長様に和陸を申し込んでくれた信玄様にも、それを受け入れてくれた信長様にも感謝しかない
信玄様と信長様は、顕如討伐の打ち合わせを手早く終わらせ……
その日のうちに、さっそく戦を仕掛けることになった。
幸村は一足先に武田軍や謙信様たちに事態を伝えに行き、それをあとから追いかける信玄様を、私は本陣の外まで見送った。
「大変ですね、もう陽が落ちかけているのに…」
「俺と信長が手を組んだことを知られる前に、動いたほうがいいからな。それに、君と無事に五百年後に行くためにも、戦を早く終わらせたい」
信玄様がそっと私の手を取り歩く