第22章 裏切りと同盟

「ちょ、ちょっと……信玄様！」

「君はもう、俺の人質だ。どう扱っても、俺の自由だろ？ もう一生、君を手放す気はない
どうやら、君はここの連中にとって特別みたいだからな。見せつけておかないと」

信玄様の視線の先には家康がいる

特別って…そんなことあるわけないのに


「……戯れてないで、話をすすめるぞ、信玄」

信玄様はそっと私を離し、信長様に向き直る。

「そうだな。共同統治の第一歩、顕如を倒して平和な甲斐を取り戻すとするか」

「ああ。早急に片を付ける」

すくっと立って向かい合う信玄様と信長様と見ていると……目頭が静かに熱くなった。