第22章 裏切りと同盟
「何をしに来た、信玄」
信長様の鋭い声が飛び、思わず身をすくめた。
みんなが注目する中で、信玄様は臆することもなく口を開いた。
「喜べ、信長。和睦をしてやる」
和睦!?
私だけじゃなく、安土城の武将たちの顔にも驚きが浮かぶ。
「どういう風の吹きまわしだ。貴様は骨の髄まで、俺を恨んでいるはずだ。病魔に蝕まれ、臆病風に吹かれたか」
「—-黙れ」
っ……幸村…
信玄様が応じるより先に、幸村が唸るように言い放つ。
その殺気に一瞬で反応した政宗と家康が、、腰にさした刀に手を置いた。
いつもの幸村じゃない…怖い…