第22章 裏切りと同盟
ハッとして、信長様の方を見る
「なんだと。信玄が…」
信長様は珍しく目をみはり、わずかに思案する様子を見せた。
「丁重に迎え入れろ」
「はっ!」
すぐに冷静に放たれた信長様の命に、兵はまた外へ走り出る。
「へえ…面白いことになってきたな」
ニヤリと笑う政宗
「兵を連れてないってことは話合いに来たってことでしょうか。信長様を深く恨んでる信玄はそんなことをするわけないと思うけど……」
家康が怪訝な顔をすると、チラッと私の方を見た
信玄様がここに…
話し合いって…何を話すんだろう
喜んでいいのか不安になっていいのかわからず、鼓動だけが先走りする。