第2章 春日山城の人質
「…の…信長様?!」
「貴様のその呆けた顔を見たら、夜伽する気も失せた」
驚いている私の瞳に信長様の親指がかかると、滲んだ涙をすくった
あ…私……泣いてたんだ……
自分でも気づかないうちに泣いてたらしい
「あ……」
24歳にもなってこんな事で泣いちゃうなんて…
きっと経験ないのバレバレだよね…
は…恥ずかしい……
あまりの自分の不甲斐なさに恥ずかしくなり、起き上がって両手で顔を覆う
「乃々。聞きたい事がある」
「何ですか…?」
ゴロンと肩肘ついて横になった信長様の方を、恥ずかしさで見られない。
「お前のその刀傷は何だ?」
すると、信長様が私の胸を指差して言った