第22章 裏切りと同盟
今から、しばらく時をさかのぼり–––昼に差しかかったばかりのこと……
織田の支城へたどり着いた信玄は、城壁に穴を開けて、もぐら攻めを行っていた。
「信玄様、もぐら穴が完成しました」
「–––よし、潜り込め」
「おお!」
武田軍の士気が上がり、雄叫びを上げた
隊の半数ほどが城の穴から侵入し、残りはそのまま城壁の外で交戦を続ける。
「さとて……。お前ら、気張れよ。この城が落ちるまでの辛抱だ」
信玄の声に武田軍は戦いながら、高揚した声を上げる。
その時–––
「待ってもらおうか。その城は、落とさせん」
「信長–––!」