第22章 裏切りと同盟
「武田信玄の手傷は、ひどいものでしたか……?」
平静をたもうとするけど、声が上ずってしまう
「いや。見たところ、俺と同様、掠り傷だった」
よかった……
ひとまず、ほっとするけれど……
本当は、今すぐにでも駆け付けたい衝動を堪えた
家臣が倒れてゆく姿を見て、信玄様は心を痛めてるはず…
何よりも仲間が大切な人だから…
その心を思うと心配で、私は拳を握りしめる。
「銃で撃ってきたのは、いったい誰だったんですか?」
「確認する間もなかったが、あれはおそらく–––」
信長様の言葉を、私はかたずを呑んで待った。
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