第22章 裏切りと同盟
「だけど、もぐら攻めをするためには、まず城に近付かねえと…」
幸村が眉間に皺を寄せると
「つまり、俺が思い切り暴れて、織田軍を引き付ければいいのだろう」
謙信が涼しい顔で一言言った
「さすが、軍神。戦のことに関しては、察しが早いな。顕如にも、反対側から攻めてもらう手筈になっている。織田軍が二手に気を取られている隙に、俺と幸村で背後から城に近付く」
謙信の言葉に感心しながら信玄は答えた
「妥当だな。顕如に敵を半分くれてやるのはいただけないが」
楽しげに笑う謙信
「さっそく、兵に指示を出してきます」
「俺も行く。戦が待ち遠しくて敵わん」
勢い込んだ幸村と謙信は、早足でその場から立ち去った。