第22章 裏切りと同盟
「おい、何を笑っている、佐助」
「いえいえ、なんでもありません。よかったなって思っただけで」
謙信の怪訝な顔を笑顔でかわす佐助
たわいもないやりとりを済ますと、幸村は気を引き締めて信玄を見る
「ところで御館様、兵の配置は変更しますか」
これから始まる戦の策の指示を仰ぐ
「ああ、そのことだが…もぐら攻めを、使う」
信玄は懐から地図を取り出し、一点を指で指す。
そこは、織田軍の補給の拠点である支城。
その支城を落とせば、武田・上杉軍の勝利は目前である
鉱山の採掘をする金掘衆を使って、城壁に穴を開け補給の拠点である支城を掌握し織田軍の補給を断つ作戦であった