第22章 裏切りと同盟
一方–––武田・上杉軍でも着々と戦の準備が整えられていた。
信玄、謙信、幸村、佐助は野営地の外へ出る。
「絶好の戦日和だ。天が俺の勝利を予言している」
謙信が楽しそうに笑みを浮かべると
「普通に晴れてるだけじゃねーか。適当なこと言わないでください。ま、俺達が勝つっていうことには同意しますけど」
軽口めいた返事をする幸村。その目には闘志が湧いている。
「血気盛んなのはいいが、早まって命は落とすなよ、幸」
信玄がにやりと笑って、幸村をいさめる。
「当然です。……御館様こそ、身体の調子は大丈夫なんですか」
「昨日より、顔色は良さそうですね」
幸村と佐助の問いに
「問題ない」
にっこりと答える信玄を見て、幸村が小さく息を吐く。