第1章 甲斐の虎
本能寺に観光で訪れていたあの日。
突然の土砂降りと落雷にあい、もう死んだと思った
死んだと思って……
目を開けたみたら…
目を開けたそこにその人はいた
その人が眠っているのか気を失っているのか分からなかったけど
ただ考えるより先に身体が反応していて、急いで脈を取り意識確認していた
そうして助けた人が、あの織田信長だったのだ
訳も分からない展開に混乱してその場から一度は逃げ出したけど、すぐに見つかって安土城に連れて来られ
何者かと問いただされた
自分でも信じられないけど、状況からしてタイムスリップしたんだろうな…と思い
そのまま信長様をはじめとする歴史上の武将達にタイムスリップの話しをしてみたら
信長様は驚くことも疑う事もせず、面白いとすんなり私を受け入れ
信長様を救ったと言う功績だけで織田家ゆかりの姫扱いになったのだった
さらに500年後の世界で医学を志していたと伝えたところ、同じく医学に長けていた家康の元でこの時代の医学を勉強することに
私の思いと裏腹にあれよあれよと話しは進み
その信長様の命を受けた家康が迎えに来たのだった
どうにもこの現実がどうしても受け入れられず、さっきの考えがグルグル頭の中を回ってる
あの人は何でタイムスリップなんてことをすんなり受け入れられるんだろうか…?
私はこの非現実についていけない…
家康の後ろを歩きながら悶々ととする