第2章 春日山城の人質
夜伽を言いつけられ
湯浴みをしてから信長様の部屋へ向かう
はぁ…
夜伽…って…詳しくはわからないけど
何か如何わしいことするんだよね……
どうしよう…怖い……
今まで誰かと恋愛したこともない
付き合ったこともない
デートやキスの経験もない
そんな私が一線を越えるなんて……
ありえない!!!
ギュゥッ!!!!
硬く目をつぶると胸元を握りしめた
ここは戦国時代…
私の逃げ場所はない
帰るところもない
信長様に従うしかないんだ…
ツンッ、と鼻の奥が痛くなって、恐怖で溢れそうになる涙を飲み込み覚悟を決めると、信長様の部屋の襖を開けた。
「信長様。の、乃々です。失礼します」