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貴方は私の半分〜イケメン戦国 武田信玄〜

第2章 春日山城の人質




あの戦から少し経って、安土城の中も平穏を取り戻していた


「政宗、この大根!!美味しい」
私が出汁の効いた大根を頬張りながら言うと

「そうだろう。そうだろう。お前は味が分かる奴だな〜」
私の横でうんうん。と頷ずき私の頭を撫でる政宗

「乃々はほんと美味そうに食うな」
そんな私を見て秀吉さんが笑うと

「食べ物なら何でもいんじゃないの?」
家康が小馬鹿にして

「なぁに!家康!!私だって味くらい分かります!!」
家康に噛み付くと


「乃々。口の中の物が飛ぶから辞めなさい。」
秀吉さんにやれやれと諭される

「子猿の喧嘩だな。」
光秀さんが茶々を入れれば

光秀さんのぐちゃぐちゃに混ざったお椀の中身を見て

「光秀…お前いい加減その食い方やめろ!」
政宗が眉間に皺を寄せて怒る。

「ん?全く問題ないぞ」
光秀さんは何てことない素ぶりでぐちゃぐちゃの物を食べ進めた


光秀様…何であんな食べ方なんだろう?
やっぱり究極に味音痴??

何気ない会話が交わされる平穏な毎日。
あの戦での出来事の記憶も薄らいできてた。


「乃々。」

「何ですか?」

私と武将たちのやり取りを上座から黙って見ていた信長様に不意に呼ばれ、姿勢を正して信長様に向き合う。


「今夜は夜伽をしろ。」

「…………っ?!」

上座から不適な笑みを浮かべて、鉄扇を仰ぐ信長様の言葉の衝撃に言葉も出ない。

やっとの思いで、ふるふると頭を振ると


「お前に拒否権はない。」


ささやかな抵抗は信長様の言葉にバッサリと切り捨てられ、私はガックリうな垂れた…
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