第21章 二人の想いは一つに
「信じてもらえるまで、言い続けるよ。君が好きだ」
もう…
「そんなの、私だって同じですよ。私にとって、信玄様はただの敵将でした」
「今は?」
言わなくたって、わかってるくせに
「今は……大切な人です。………あなたが織田軍の敵でも」
そこまで言ったところで、言葉が胸に詰まった。
瞳に月光をたたえて、信玄様が私を見つめる。
「明日、戦が始まれば、俺は織田軍を攻める」
そうだ…未来へ行くことを決めても……
この人は、この戦を投げ捨てて未来へは行けない
信玄様はみんなのためにも、甲斐の国を取り戻す
全力で信長様にぶつかっていくだろう…
未来に行くためには、この戦を終わらせなければ…
私は……
ここ現実を目の前にして…
私の脳裏に信長様や織田軍のみんなのことが浮かんだ
信長様…
家康…