第20章 貴方のもとへ
「500年後の医学なら…信玄様の病を治せるかもしれません。
私も…命に関わる病を乗り越え、今を生きています。
だから…信玄様も……」
可能性は0じゃない
「君も…?」
「はい。幼い頃に心臓を治してをしています」
私が胸に手をおいて答えると、信玄様の視線が私の胸元に落とされる
「心ノ臓を…??」
「そうです。500年後の時代はそれくらい医術が進んでいるので、信玄様の病も治せるかもしれません。」
お願い
拒否しないで…
自分の命を諦めないで…
どうか…お願いっ……
私の言葉に信玄様が一瞬驚いた顔を見せたけど…
すぐに私の瞳から逃げるように、黙って目を伏せた
「…君の時代に行ったとして…治らなかったら?
俺が君の時代に行って、帰って来られる保障は?」