第20章 貴方のもとへ
「……この戦が終わる頃に、もう一度ワームホールが出現するはずなんです」
「そうか…」
話を聞き終わった信玄様は、深く頷いた。
「信じてくださるんですか?」
「普通なら笑い飛ばすところだが、君の素性が掴めなかったことも、それなら納得がいく。君も佐助もどことなく、この世の者とは違う感じがしていたしな」
「五百年後には、この日ノ本はどうなってるんだ? 今と同じように、あちこちで戦をしてるのか?」
私の言葉を信じてくれたことにひとまず安心してると、信玄様が心配そうに聞いてきた
「少なくとも日ノ本では、戦は終わって平和になっています」
すると、私の言葉に信玄様は嬉しそうに顔をほころばせた。
「それを聞いて、安心した。戦火に国を追われ、暮らしを脅かされる弱者は、いなくなるんだな」
こんな時でも、信玄様は人のことを気にするんだな…
信玄様のいいところでもあるけど、この気持ちが強いから…この人は自分のことを後回しにしてしまう