第20章 貴方のもとへ
全部…聞かなきゃ…
私にとって…私たちにとって、一番、大事なこと
私が意を決して口を開こうとすると、
私の想いを読んだように、信玄様は静かに口を開く。
「俺の病のこと…どこまで知ってる?」
その問いに私は、小さく首を横に振った
「俺の病だが…病の兆候が出たのは、齢にして二十を過ぎた頃だった。その時は安静にしていればよくなった。だが、それを境に、たびたび症状が出るようになった。歳を経るごとにその頻度は上り……ついに、信長との戦の折に俺は死にかけた。その時のことは、君にも少しだけ話したことがあったな」
病について、知らない私に信玄様が説明してくれる