第20章 貴方のもとへ
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佐助くんに連れられ武田・上杉陣営に潜り込むと
信玄様の天幕の前で別れた
「乃々さん……信玄様を…頼む」
別れ際に佐助くんは何か言いたげにしていたけど、一言だけ言って去った
天幕の前で大きく深呼吸をすると、意を決して天幕の中に滑り込んだ
「んー? 天女が舞い降りたかと思ったら、君か」
わたしの心配をよそに布団の上に座った信玄様が、いつもの調子で笑みを浮かべている
「……驚かないんですね、私がここに来たこと」
佐助くんは、信玄様には言わずに私を連れて来たって言ってたけど…