第20章 貴方のもとへ
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その一方で織田軍の後方を顕如が襲ったという情報が、戦場を瞬く間に駆けた。
「はい。どうやら連携を取って動いているらしく、織田軍は挟み撃ちにされた形です」
手当てをした兵から、戦の状況を聞かされ、黒雲のように不安が心を覆う。
「政宗様が食い止めてくださっているおかげでなんとか持ちこたえていますが……」
「政宗が…」
「乃々様のことは、我らが命に代えても守りますゆえご安心を」
私を思って、兵士たちが声をかけてくれるけど、
いつ誰が命を落としかねない状況に息が止まりそうだった