第20章 貴方のもとへ
「今朝、光秀からの早馬が届いた。それによれば–––顕如が手勢を率い、凄まじい速さで甲斐に進軍しているとのこと
いつどこから襲ってくるか、わからん。後方とて、油断はできんぞ、政宗」
「それは良いことを聞きました。顕如の仕込杖の錫杖とは、ぜひやり合ってみたかったんだ」
政宗は不敵に笑った。
「乃々。あんたは顕如に狙われてるんだから、油断しないで」
武将の顔をした家康に見つめられ、その殺気にゾクッとする
「本当はあんたを側に置いておきたいくらいだけど、信玄に色々と借りを返さないといけないから」
その瞳には怒りの炎が揺れている