第20章 貴方のもとへ
そして……
五日後に進軍を始めた織田軍は、予定通り甲斐の国に到達した。
私は信長様、政宗、家康の三人の軍議を天幕の隅で見つめていた
家康の治める三河は、甲斐と領土を接しているため甲斐の地形が詳しく、兵の増援も呼びやすいとのことで家康が先陣になり
政宗が家康に補佐をする後方になった
政宗が先鋒、家康が後方を務めることが多いって聞いたから、いつもと逆だな
後方にされた政宗はあからさまに不服そうな顔をしていたけど、信長様の決めたことには頷くしかないようで渋々受け入れたようだった
「気落ちする必要はない、政宗」
信長様がにやりと笑って、政宗と家康を見る。