第18章 別れの時
貴女は好きな人と同じ時間を生きていられる
手を伸ばせば触れられる
それがどんなに素晴らしいことか…
鈴ちゃん…私の分まで頑張って…
「……うぅっ…の…乃々さまぁっ」
私の言葉にさらに泣き出した鈴ちゃん
鈴ちゃん…この時代に生まれた貴女が羨ましいよ
泣きじゃくる鈴ちゃんをそっと離し
「じゃあ、私はそろそろ行きますね」
駕籠に乗りこもうとした時–––
「おい」
「え?」
謙信様に急に呼びとめられて、思わず振り返る。
「……最後に、信玄へ伝えたいことはあるか」
「……!」
幸村と佐助くんが目を丸くして、謙信様の方を見てる
「恨みごとでもなんでも、言い残したことがあればここで言っていけ」
言いたいこと…って言うか……