第18章 別れの時
「なんて言ったらいいのかわかんねーけど……達者でいろよ」
「…ありがとう、幸村」
敵陣に戻る私に、そういうふうに言ってくれるのは素直に嬉しいな
「謙信様も、見送りに来てくださるなんて思いませんでした。ありがとうございます」
「佐助の奴に、連れてこられただけだ」
謙信様は、私に素っ気ない視線を向ける。
最後まで、謙信様らしいな。
もう怖くないし、謙信様とも少しは近づけた気がするけど…
それは私だけかな?
「……の…乃々さ…まっ…う……えっ…」
嗚咽で喋れないくらい、泣いてる鈴ちゃん
「鈴ちゃん、色々ありがとうね。貴女にたくさん救われた。」
泣きじゃくる鈴ちゃんを抱きしめ、ポンポンと頭を叩く
「…身分なんて気にしないで、幸村のこと頑張って」
鈴ちゃんの耳元で小さく呟く